映像は正面から見ることが正しい。映像は平らな面である。という定説に対し、 映像を立体的に起こし、様々な角度から鑑賞する。というアプローチができな いかと考えました。映像は平面に投影することが、合理的であり、そこに違和 感を持つことは少ないと思います。しかし、映像を立体的に起き上がらせるこ とで、そこには平面の映像では感じられない素材感や遠近感の発現、そして映 像の鑑賞の仕方の変化が発現したと感じました。私はここに映像鑑賞の新たな 可能性が秘められているのではないかと思いました。 また、一つ一つの作品が映像のマテリアルを纏ったオブジェクトであることか ら、映像と彫刻との間を行き来しているようにも感じました。