水彩絵の具で花びらの透ける感じを描いたり、油絵でリンゴの艶を描くように3Dプリンターを用いて日常を描き出す。 ある時、3Dプリンターで出力された物の積層が玉ねぎの断面に見えた。その時3Dプリンターは筆や絵の具と同じように玉ねぎの姿を描く道具であったのだ。 私はこの道具の特徴である積層造形や素材の色、質感などを見つめ直し生活の「もの」を表現した。 「もの」にはさまざまな質感がある。艶や色味、表面のテクスチャーなど、それらは調和し微細な美しさを生み出している。物に対して人が共通に抱いているニュアンスを探し当て、表現しようとミクロとマクロな視点で「もの」と向き合った。 ABS樹脂 150×160×150mm(2点)、100×130×80mm(1点)、80×50×70mm(8点)、40×30×40mm(6点)、20×5×20mm(3点)