フィルムに円を描き、積み上げる。塗料のわずかな厚みは何層にも重 なり、やがて円柱形の塊となって、フィルムの層の中にぼんやりと像を 現した。密度や重みを肌で感じ、その存在感に圧倒される時、わたし はものに記憶された時間や人の姿に感動しているのだろうか。そんな 存在を自分の手でつくり、感じてみたかった。