プシュケ、息、いのち。いのちは私の内にありながら、その姿を見るこ とはかなわない。ある朝に、私はいのちを描こうと思い立った。いのち は見えなくとも、その面影を示してくれる。あらゆる生命の形態や自然 の様相を目にしたとき、それらの形象が私の内に混ざり、重なり合い、 瞼の裏に像をつくる。その像を描き留めようと紙に鉛筆を走らせるとき、 私は水の中を思い出す。自らの内に深く沈潜して、私は生まれる前の記 憶にわずか触れる。いつか猿や魚や細胞だったころ。かつて私だった ものたちが私の奥底に刻み込んだ、いのちの形象たち。 けれども私は、いのちというものがどんな姿をしているのかやっぱり わかりません。