私たちは偶然の現象に、それらしい要因を探し、結びつけてしまう。 この作品では、特定の行為をしながら鑑賞すると、映像の中の出来事 に関与することができる。しかし、体験者の身体と映像は決して同じ 空間に存在せず、身体の動きに合わせて映像が流れている訳でもな い。ただ、リズムや行為の意味が合わさった瞬間、体験者自身が関係 性を見出しているのだ。この自分が関与したという感覚は、現実では 結びつかないような現象までをも認識し、納得させる。そして、この曖 昧な繋がりが、そこにいる私の存在に気づかせる。