毎日何気なく行っている「書く」という行為には、たくさんの判断が ひそんでいる。姿勢を正し、腕に力を入れ、目で読み取り、せわしなく 動きを繰り返す。人は全身で「書く」を行っている。 しかし、私たちが書くときに意識しているのは、何を書くかというこ とだけだ。私たちの思考の外側で、体を動かしている者たちがいる。 体にひそむ知性たちだ。あなたの言葉と全身の運動が統合され、手 先の軌跡となって、ようやく文字があらわれる。異なる知性を持つ それぞれが、自分の仕事を全うすることで、書くという行為を日々 成し遂げている。 いつも一緒に字を書いている、あなたの体の「書く」実行委員会を のぞいてみよう。