1本のステンレス線を折り曲げ、鏡面上で構成した。ステンレス線が描く軌跡は、鏡面という境界を越えて虚像へと繋がっていく。実体が虚像と溶け合うとき、両者の境界は曖昧になり、重力から解放されたような形が浮かび上がる。反射という現象が、相反する二つの世界を調和させ、融合させる。私はそこに認識の揺らぎによって生まれる均衡の世界を表現した。